ラベンダーの咲く庭 LavandeBleu

日々の食事を記録するついでに雑談しているブログです

雑25

今年のクソブログの始まりは、普段からSteamのゲームを遊ぶ人なら目にした事があるかもしれないADVタイトル、「OneShot」の紹介から。

 

store.steampowered.com

 

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●はじめに

紹介というかただの感想文ですかね、クリア前提でネタバレも有りで書いているのでプレイ予定の方は読まないほうがいいかも。「Undertale」のように情報を仕入れずに遊ぶのが最もクリティカルになるタイプのゲームです。


●どんなゲームか

あえてジャンルをしぼるならADVでしょうか、僕は英語ド素人なのでタイトルの語感から何となくアクションゲームっぽいかなと想像していたのですが、実際には戦闘要素もアクション要素もありません。また、要所で謎解きに近いものもあるにはあるものの、ほぼ初見で気付けるものばかりなので安心してほしい。
主人公「ニコ」は、「別の世界」から呼び出された「救世主」であり、プレイヤー(この世界では神と呼ばれる)の導きによって太陽を失った世界に輝きを取り戻してほしい、と「預言者」から目的を提示される。開始地点で見つけた電球、それはこの世界の太陽であり、それを「塔」の頂上へ運び、再び世界に光をもたらすことが世界を救う方法だという。

プレイヤーは、ニコを操りマップを探索し、必要なアイテムを入手し、あるいは組み合わせて、「塔」への道を拓いてゆく。

 

・・・と、ここまではwikiとかストアページを読めば誰でも知ることができる情報である。以下ではいきなりゲームの結末を踏まえての感想になるので、繰り返すが後悔しない人だけ読んで欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


さて、結末の話をする前にひとつ補足しておくと、「OneShot」というゲームはかつてはフリーゲームだったらしい。RPGツクール2003製のそれをRPGツクールXPでリメイク(厳密にはXPをベースにした別のツールでのリメイク)したものがSteamで2016年末にリリースされ、さらに2017年9月には日本語化された。僕のプレイしたものは日本語化された作品である。

なお、本作はネタバレを回避したうえで力の入ったレビューが既にあちらこちらに存在する。


例えばこちら

www.moguragames.com

僕の拙い文章など読むよりはそちらのほうが圧倒的にプレイ意欲を掻き立てられることと思うので、ぜひご一読ください。

 

 

●感想文(エンディングについて)

前置きが長くなったところでようやく感想文に入るが、二律背反の選択肢を突き付けられる結末が、このゲーム最大の魅力であり巧妙な仕掛けであるとも言える。

最初に迎えたラストシーンでは、迷わず電球を置いた。やがて世界はまばゆい光に包まれ「救われた」が、その後のニコがどうなったのかはわからない。こういうところで僕は案外現実的というか薄情なのではとかが脳裏をよぎる。
そして、エンディング後に「セーブデータを消去する」というギミック。二周目で追加されるNPCによるメタな台詞。これは何かあるだろうと思いつつ、今度は電球を割った。これでニコは無事に帰れるのだろうか。ゲーム窓の「外」へ出ていくキャラクターを見つめつつそんな事を思う。
さて、これで終わりではないだろうと「3周目」の存在を意識してWebをチェック。そういえばあのキツネとか謎のタイマー?付きの扉とか、よくわからない伏線もあったよなと思いつつ真エンドなるものがあると知って、早速そのとおりにやってみると、2周目とは違う独自の展開になった。具体的には「不毛の地」の洞窟で、とあるタイミングでとある事をすると秘密の部屋へ進むことができるのである。

ネタバレ有りと言いつつ真ENDへのルートを若干ぼかしたのは、クリア済みでも3周している人がいるとは限らないから。
もしそこまでやってない人がいたら是非自らの目で見てほしい。色々とよくわからないところもあったけど、ほっこりしました。

クリアをしても「コレで良かったか?」と考えさせられて、2度目のエンディングでも結末は異なっても考えることは同じだ。どうしてそんな事になってしまったんだろう? 3つめのエンディングは、そのもやもやした気分を多少なりとも解消できるものになっている。

 

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●良かった点

ゲーム外(PC)を利用した、これまでになかった工夫を凝らされたゲームシステム。
アイテムを「組み合わせる」発想、気付きによる達成感。
マップ移動の簡略化(トラベル)。
「一度きり」のゲーム体験。
そして「一度きり」ではない物語。
不思議で可愛いキャラクターたち。
太陽を失った、薄暗くて不気味な美しい世界。

 

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そう、プレイを始めた当初は「ゆめにっきフォロワーかな」と思ったものだ。なぜかというと、これまでプレイしたどのゲームよりもドット絵の打ち方がゆめにっきに近かったから。ニコが最初に訪れる「不毛の地」は、全体的に暗くて朽ちたロボットや建物など、どこか退廃的な雰囲気があった。
あと、細かいけどすごいゆめにっきみたいだと思ったのは、歩くとニコの足音が鳴るという点。しかも歩く場所によって音が違う。砂漠はパタパタしてるし金網ではカツンカツンとしてる。FF14もそうだけど足音こだわってるゲームは神ゲーだと思う、思いませんか?

作者(もちろん、ゲームの作者のことである)が意識してたかどうかは分からないが、プレイ感は「台詞のあるゆめにっき」だ。なお、ドッキリ要素はありませんのでご安心です。調べてみてこのゲームのフリー版があったことは分かったのだが、結局いつリリースされていたのだろう、ゆめにっきはそもそもだいぶ古いゲームだけど、どちらが先なのかな。

 

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●良くなかった点

いやないんだけど、あえて一つ言うと、「真ENDルートに入ると解除できない実績がある」という点。
3周目に入るまでに実は1つ実績を撃ち漏らしていたのがあって、実質3.2周くらいしました。峡谷の羊のところですね。「一度もベルを鳴らさずにクリア」するのが、真ENDルートではそのイベント自体が起こらないため実行不可能に。まあ完全に自業自得なんでノーカンでいいとおもいます。

僕みたいなウッカリさんのために、真ENDを経たあとゲームを再起動すると、タイトル画面に進行度を全てリセットするコマンドが追加されている。ただし、思い出話みたいな扱いになるためか、ニコのキャラクターグラフィックが若干色褪せた感じになってます。もしや会話ウィンドウの顔グラもそうなってる?ので、芸細だけどすげえってなった。

結論から言うとプレイしない理由はなかった。

 

いや、ネタバレしといてなんだけどネタバレ知っててもプレイしたほうがいいよ。

 

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 この仕掛けは素直に「うわっ、すげえ!」と思った

 

 

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この仕掛けに気付くのにしばらく時間がかかりました・・・

 

 

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好物は“パンケーキ”・・・ニコの性別は明示されていないのでお好みで

 

 

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 プレイヤー名はPCのユーザネームなんだよね、入力もしてないのに不思議だった

 

 

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OneShot、しばらく穏やかな気持ちになれてないなぁというストレスを抱えた現代人におすすめ